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更新はゆっくりです。いつか誤字脱字も直して詩集を出したいです。
子供の居ない海に管理人は警告したが
羊達は決して歩みを止めない
何匹と姿が水平線へ見えなくなるのを
廃れてしまった花塗れ旅館の窓から
裸の朝日と一緒に眺める

やがて海水は羊達を溶かして粘度を増し
かつて繋がっていた頃の膜に覆われる
町の漁師は厚い膜の上を歩き
青空の色と成分を多く吸った
濁りの無い部分を持ち去る
それを染料として高く売れるのだそうだ

遠くで多くの母が枯れた桃色の股を開いて
来るもの全てを受け入れようとしている
羊達はまだ一匹も辿り着けない
山の奥で産声の様な笛が鳴る
飼われている事を忘れられた羊達の
遊牧の旅が終わろうとしている
これから何処へ向かうのかも知らぬまま
鉄の獣が大きく口を開いて飲み込んでく

途中で引き返そうとしたある羊は
剥き出しの内臓と骨で洞窟を作る
そこを風が嫌らしく通って音を鳴らす
宿主の居ない法螺貝が
浜辺の歌を保存するのにも似ていて
私は知らない鼻歌を歌いだす
「めぇ…助けて」
雑音を潜り抜け私の耳へと入り込む

背後で蕎麦殻の崩れる音がし
梟のみたいに振り返る
人体を継ぎ接ぎした羊が
一匹血塗れで立っていた
音が逃げ出し
花瓶の花が怯えて震えている
羊の膨らんだお腹には赤子は居なかった
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